記録を残すところ

自分のために残す。でもそれが誰かのためになるかもしれない。

NANA MIZUKI LIVE PARADE 2023 GALA 07-09 愛知~石川 (2023.8.12 - 8.20)

水樹奈々さんの2023年夏のライブツアーも後半戦に突入し、いよいよ残すところ東京3daysのみとなりました。最後の会場に向かう前に後半3公演を振り返ってみます。例によってセトリと演出のネタバレ注意!!

今回のツアー日程は以下の通り。全7か所12公演。

初日青森終了直後の感想はこちら。 前半戦熊本までの感想はこちら。

ここまでのセットリスト。

<OP MOVIE>

01.Red Breeze
02.Bring it on!
03.Poison Lily
  (青森、大阪1、福島2、熊本)
  FIRE SCREAM
  (大阪2、福島1、愛知1)
  Rock Ride Riot
  (愛知2、石川)

04.still in the groove
05.Love Fight!
  (青森、大阪1、大阪2、福島1、福島2)
  Faith
  (熊本、愛知1、愛知2、石川)
06.Gimmick Game

<Cherry Boys紹介>

07.Get up! Shout!
08.MASSIVE WONDERS
  (青森、大阪2、熊本)
  Silent Bible
  (大阪1、福島2、愛知2)
  Sacred Force
  (福島1、愛知1、石川)
09.ETERNAL BLAZE

10.アコースティックスペシャルアレンジ
  Crescent Child
  (青森、愛知1:Vn.門脇大輔、Key.佐藤雄大、Gt.佐々木"コジロー"貴之、Per.福長雅夫)
  Song Communication
  (大阪1、石川:Gt.渡辺格、Gt.北島健二、Vn.門脇大輔、Ba.坂本竜太、Sax.藤陵雅裕、Drs.松永俊弥)
  夏恋模様
  (大阪2、熊本:Gt.北島健二、Gt.渡辺格、Gt.佐々木"コジロー"貴之)
  Love Brick
  (福島1:Ba.坂本竜太、Gt.渡辺格、Gt.佐々木"コジロー"貴之、Drs.松永俊弥)
  Violetta
  (福島2、愛知2:Key.佐藤雄大、Vn.門脇大輔、Gt.北島健二、Sax.藤陵雅裕、Per.福長雅夫)

11.Sweet Dealer
12.恋想花火

<ブリッジムービー>

13.サーチライト
14.STARTING NOW!
  (青森、大阪2、福島2、愛知1、石川)
  POWER GATE
  (大阪1、福島1、熊本、愛知2)
15.Higher Dimension

16.Astrogation
17.SCARLET KNIGHT
  (青森、大阪1、大阪2)
  Preserved Roses
  (福島1、福島2、熊本)
  アヴァロンの王冠
  (愛知1)
  VIRGIN CODE
  (愛知2、石川)
18.残光のガイア
  (青森、福島1、福島2、愛知2)
  アヴァロンの王冠
  (大阪1、大阪2)
  SCARLET KNIGHT
  (熊本)
  VIRGIN CODE
  (愛知1)
  Preserved Roses
  (石川)

19.NEXT ARCADIA

EN1.PARTY! PARTY! (曲中ヨーダ紹介)
EN2.SUMMER PIRATES
  (青森、大阪1、大阪2、福島1、福島2、熊本、愛知2、石川)
   Happy☆Go-Round!
  (愛知1)

EN3.Happy☆Go-Round!
  (青森、大阪1、大阪2、福島1、福島2、熊本)
   Sugar Doughnuts
  (愛知1、愛知2、石川)
EN4.DISCOTHEQUE

WE1.Go Live!
  (愛知2)

愛知 (2023.8.12-13 日本ガイシホール)

ツアー初出は、VIRGIN CODE、Sugar Doughnuts(新曲)、Go Live!。

連番は長年お世話になってるフォロワーさん、座席は1日目はアリーナで横が通路、2日目はスタンドで前が通路。1日目は通路挟んで反対側にもフォロワーさんと自然連番発生。両日ともにスペースが広く、とても快適に観れました。

入場は、1日目は入場口付近で圏外になり焦る。ちょっと離れたり一旦機内モードにしたりしてたら復活した。2日目はスタッフが操作しても反応せず別のスタッフが召喚される自体に。電子チケットは受け渡しが楽なのはいいけど、入場時はリスクがあるのが課題。余裕持っていきましょう、とか言ってたら2日目は昼飯に時間かかってギリギリ。近い人ほど遅刻しやすい法則が発動してしまい、何も成長していない(間に合いました)。

個人的にこの愛知公演は、コロナで熊本を病欠してからの復帰戦という立ち位置でした。そしてそんなタイミングで繰り出されたのはツアー初出のVIRGIN CODE。まさかこの曲がこんな形で自分に返ってくるとは全く思ってなかった。

当時を経験したファンの間では説明するまでもない話だけど、一応触れておくと、VIRGIN CODEの印象が大きく変わったのは、2015年のLIVE ADVENTURE鳥取のダブルアンコール。前年のLIVE FLIGHTツアー中に喉を壊して中止になった公演のリベンジとなる中の最後の地。復帰後一発目のLIVE FLIGHT山形も未だに頭に焼き付いているけれど、この鳥取をもって復活の象徴というような曲になった。

今回のLIVE PARADEのブリッジムービー後は復活、再始動がキーワードになっているので、VIRGIN CODEを歌うのはテーマに合っている。自分は完全に想定外だったけど、おそらくそれは去年のLIVE RUNNERで歌ったからまたしばらく歌わないだろうと思っていたんだと思う。LIVE RUNNERでも、自分たちで未開の地を開拓していく想いに加えて、LIVE FLIGHTの復活の意味も込めていたと奈々さん本人がPOWER GATE(USEN)で語っていたので。でもまぁそれもあって固定にはならなかったのかな。

それにしてもテーマ的には初日から歌っても他の公演が初出でも不思議ではないのに、本当にたまたま、自分が病欠してから復帰一発目のライブで歌われた。そんな偶然に気づいてからはもう愛知1日目は感情がぐちゃぐちゃになりながら無我夢中で跳んでた。その後のMCも次のNEXT ARCADIAもほとんど頭に入ってこなくてアンコールはしばらくタオルに突っ伏してた。鳥取以降いろいろな場面で何度も歌われてるから耐性もついていたはずなのに、今回はもうこれまでにないくらいむりになった。今思い出しても泣きそうになる。愛知1がメインステージで愛知2がトロッコだったのもちょうどよかった。トロッコだとやはりそこまで入り込めなかったと思うし、座席の角度的にも好都合だった。

自分自身の経験が曲の文脈に重なると、その曲に対する自分だけの特別な思い入れが増える。そんなことを改めて気づかせてくれた愛知公演でした。

他に印象的だったことといえば、愛知1のSTARTING NOW!で、最後のフレーズ「明日を創り出せるのは 誰でもない、僕らだ」の「僕ら」のところを愛知では会場全体に手を向けていたのに気づいて、それがごく自然に出た動きだったのでめちゃくちゃ笑顔になってしまった。他の公演は覚えてないけど石川ではやらなかったので、愛知でやってくれてありがとうってなった。

アンコールでは新曲「Sugar Doughnuts」リリースの発表がありました。昨年7月のアルバムDELIGHTED REVIVERから1年以上空いていたので嬉しいお知らせでした。次が発表されるというのはいつになっても嬉しいもの。

そしてそのまま流れで宇宙初解禁。自分は最初はメロディを聴くタイプなんですが、例によってクセのある曲で初見ではあまり印象に残らず、もちろん歌詞まで意識が行ってない。振り付けもどうやらあったらしい。2日目に聴いて少しわかってきたけど、聴こえてない音がいっぱいありそうで、これはCD音源でちゃんと聴きたいと思いました。

個人的にはツアー中に新曲がセトリ入りしてくると、その枠にあった曲が歌われなくなってしまい、ライブの流れも当初から変わるので正直あまり歓迎してないです。LIVE EXPRESSのセトリが良かったのは新曲が最初からセトリに入っていた点があるので…。実際、愛知1ではSUMMER PIRATESが消えて嘆く声も結構耳にしました。結局SUMMER PIRATESは愛知2で戻ってきたんですが、代わりになぜか3曲目のPoison Lily/FIRE SCREAMがタオル曲の枠になってしまって複雑な気持ちです。

愛知2は、奈々さんのワンマン222公演目&最多公演会場がSSAを抜いて日本ガイシホールとなったこともあり、ダブルアンコールが発生。 自分は111公演目は特に何もなかったからあまり気にしてなかったんですが、そういえば177公演目はダブアンやってたのを今これ書いてて思い出したところ。

選曲されたのはGo Live!でした。特にコールとか入る曲じゃないから皆の声で完成したっていうのは正直よくわからなかったけれど、去年のLIVE HOMEツアーでやった曲の中から歌うならこれがピッタリだったのかなと。MY ENTERTAINMENTでは重すぎるし、全力DREAMERやHOMEではLIVE HOMEツアーの印象が強すぎるので。

その後のMCで、2020年に中止になったバンテリンドーム(ナゴヤドーム)へ再挑戦する決意が表明されました。もしかしたらこのこともあっての選曲だったかもしれない。現実問題としてドーム公演は様々なハードルがありますが、そこはこれまでいくつもの壁を乗り越えてきた水樹奈々さんなので、いつか来るであろうその日を待ちたいと思います。

石川 (2023.8.20 金沢歌劇座)

ツアー初出はなし。

連番はこちらも長年お世話になってるフォロワーさん。座席はLIVE ISLAND以来5年ぶりのホール1桁列でしかも通路。今回のツアー、大阪1以外は横か前が通路で、こういうところに運を使っている。

直前で金沢に前日入りにすることを決めてご飯と観光成分を増やしたんですが、結果的にこの判断は正解でした。思った以上に気温が高く猛暑で外歩いてるだけで体力消耗したので、一晩寝て回復してからライブに臨めたのはよかったです。金沢は会場と飯屋とホテルが徒歩15分以内に固まっていたので、ホテルを拠点に動けたのがかなり大きかった。前週は愛知で近場だったからあまり気にならなかったけれど、コロナで体力が落ちていたのを実感させられましたね。。。

それでもライブが始まると、アドレナリンのおかげか奈々さんの歌声のパワーのおかげか、最後まで元気に観ることができました。むしろ開演前よりも終演直後の方が元気だった気が。

同じくホールの福島では、4階だったからか傾斜がきつかったからか、他のファンの熱量はアリーナ公演と同じくらいに感じたんですが、石川は前というのもあってか跳ぶ人も声援も段違いでビックリしました。ホール公演ってこうだったなぁ、と思い出しながら自分も周りに負けないよう楽しんでました。

石川ではチェリボソングで藤陵さんのサックスがいい味出してることに気づいた。どうしてもボーカル2人に意識がいくからなかなか気づきにくい。あとはたまにしか出ないSweet Dealerのウィンクを肉眼で観れたのは幸運だった…。

そして来ないと思ってたVIRGIN CODEで再びしぬ。愛知だけだと高をくくっていたので完全に油断しており、イントロで声がひっくり返った。あれから何度も歌われてると書いたけどホール公演での歌唱はADVENTURE鳥取以来で、今回は鳥取とほぼ同じ位置というのも思い出して当時がフラッシュバックされ、更に拍車がかかった。ちょうど自分の近くに来てくれたのも嬉しかったですね…。

新曲Sugar Doughnutsの披露は3度目だけど、周りでもうすでに要所要所で跳んだり振りコピしたりしてる人がいてビビる。こちとらようやくメロディが少し掴めてきたばかりだというのに! 結局スマギャン等のラジオではフル解禁されなかった(アニメの番宣映像ではちょっとだけ聞ける)ので、東京の2日間で把握して千秋楽に臨みたいです。

NEXT ARCADIAについて

本編ラストNEXT ARCADIA前のMCで、マスクを剥ぎ取ってみんなの笑顔がみたい、そんな「理想郷」を目指して歌う、というようなことを、おそらくここまですべての公演で言っていたと思います。 自分はこのMCは、単にNEXT ARCADIAに繋げるためのものだと思って、あまり深く考えず聞いていました。

そんな中、石川公演の3日前にTwitterのスペースでNEXT ARCADIAの時のステージ映像が話題に挙がっていたのを思い出し、石川では映像も気にしながらNEXT ARCADIAを観ていました。今回のツアーではステージ映像にほとんど意識がいってなくて記憶に残ってなかったんですが、NEXT ARCADIAのステージ映像では飛行船が飛んでるんですね。

うろ覚えですが、確かステージ映像はスタッフさんが曲のイメージに沿ったものを作っていて奈々さんは関与していない、とどこかのオーディオコメンタリーで言っていた記憶があります(RUNNERだったかHOMEだったかあやしい)。

なので意図的な関連性は薄く、この後の話はただ自分がこう感じたというだけなんですが、

ブリッジムービーで飛空艇は墜落してるよなと。

それがまた姿形を変えて飛んでいる。 そうなるとNEXT ARCADIAの飛行船は、一度失った翼を取り戻し再び飛んでいるようにも捉えられ、その行き先がまさに「理想郷」に向かっているのかもしれない。あるいは、映像の中において墜落前の状況が「理想郷」であるならば、翼を取り戻した飛行船が再び飛んでいる光景そのものが「理想郷」を体現しているのかもしれない。

さらに、ブリッジムービーの最後を思い出すと、墜落後に白い衣裳に変わって光り輝く奈々さんを見た子どもたちは、かけていたゴーグルを次々と外していき素顔が見えるようになっていく。 これこそまさに、顔を覆っているものがなくなり素顔が見えるようになった「理想郷」ではないか。 だからブリッジムービーは、これまでの過去と、いまある現在だけでなく、これからの未来を示唆する内容になっており、ブリッジムービー後に続くデイパレード部分のサーチライトで始まってNEXT ARCADIAで締める一連の流れは物凄く腑に落ちたのでした。そういえば、ワンマン初披露時のLIVE GAMESの時も戦闘機に乗っていたし、空を飛んで駆け抜けるイメージにも合いますね。

子どもたちのゴーグルは、最初はマスクのことかと思いましたが、そうすると墜落がコロナの比喩なので墜落前後の時系列と矛盾する。そこで他に何かないかと考えたところ、固定観念を捨てる比喩なのではとも考えたんですが(ゴーグルから色眼鏡が連想され、ムービーの前半でみんな当たり前のように着用しているけど、その当たり前が視野を狭める固定観念みたいなことを考えてました)、単に顔を覆うものとストレートに捉えるのが自然な感じがしてきています。

石川公演にて、コロナ禍になってからのライブはLIVE RUNNERで再開し、その後LIVE HOME、LIVE HEROES、LIVE PARADEと続く4部作となっていること、そしてPARADEはその4部作フィナーレとなることが明言されました。その前のどこかの公演でも(確か大阪)4部作と言ってたけど、その時は、LIVE RUNNERからLIVE HOME、そしてLIVE HEROESまでも一連の繋がりがあって、さらにそこに今回のLIVE PARADEが追加されただけだと思っていて、次は5部作になるんじゃないかと勝手に思ってたけれど、それが否定されました。 おそらく、全国的に規制が緩和されてきており、キングレコードの他の人のライブでもマスク必須ではないところが出てきているので、次のライブの頃には上で書いた「理想郷」に近づくのだろうと想定しているから出た発言ではないかと思います。(個人的には思うところがありますが・・・)

東京に向けて

今回は2009年のLIVE FEVER以来14年ぶりのツアーファイナル東京3days公演です。セトリ的には10曲目のスペシャルアレンジ枠以外は3日間で全部歌える余裕があるので是非やってほしい。そしてあわよくば映像化を…! 自分の体力も最後まで保てるか未知の世界でドキドキします。自分は一応過去に3日間で6ライブという経験はあるけれど、全部ライブハウスでこんな3時間弱跳びまくるものでもなかったし、今の己の限界はどれほどなのか試されてきます。

それでは参戦される皆さん、最後までこのPARADEを楽しみ、そして味わい尽くしましょう。